17世紀イギリス思想史研究の現在と未来 ──山田園子先生退職記念シンポジウムのお知らせ
開催主旨
日本のイギリス思想史研究を長年にわたって先導されてきた山田園子先生が、2017年3月をもって広島大学を早期退職されました。
山田先生は、イギリス革命期の急進派のひとりであるジョン・グッドウィン、17世紀半ばの複雑な英蘭関係を背景に持つアルミニウス主義、そしてトマス・ホッブズの歴史論やジョン・ロックの政治・宗教論など、17世紀イギリス研究の重要な研究テーマを網羅する先駆的で巨大な作品群を私たちのまえに示されています。近年では、日本におけるロック受容の在り方を網羅的に分析する貴重な試みにも傾注されています。
先生の精力的な研究活動は、名古屋大学、島根大学、ブリティッシュ・カウンシル・スカラーとして滞在されたオックスフォード大学、そして広島大学で行われました。そして先生は、非常に熱心な教員として後進の育成にもご尽力されました。さらに先生は日本イギリス哲学会を中心とする関連学会においても、学閥などにとらわれない自由な精神と姿勢から、温かい眼差しをもって多くの若手研究者を励まし、後押しされてこられました。
上記のような山田先生の長年のご研鑽とご厚誼に感謝すると同時に、次世代の研究者として、先生の貴重なご業績からどのように学ぶべきかを議論するシンポジウムを企画いたしました。
シンポジウムは、冒頭で、山田先生から私たちへの宿題の提示を含む研究に関する回顧と展望についてお話いただきます。その後は、先生のご業績をホッブズ研究、ロック研究、そしてイギリス革命研究の3つに大別した各パートにおいて、それぞれの研究に関するベテラン研究者の司会のもと、多様な研究スタイルや関心をお持ちの次世代を担う新進気鋭の研究者2名から発表を行います。このような陣容で、山田先生のご業績のまえにただ立ちすくむのではなく、先生のご研究から何をどのように学び、そこから将来のイギリス思想史研究をいかに展開するのかについて、山田先生と共に、様々な角度からじっくりと議論できれば幸いです。
2018年1月
企画・運営:
京都大学 竹澤 祐丈
広島大学 桑島 秀樹
桃山学院大学 梅田 百合香
お願い
記念シンポジウム、ならびに記念パーティにご参加を希望される方は、可能な限り、以下のURLから事前の登録をお願い致します。
- 予約フォーム:https://goo.gl/forms/Rzl7nzuVfsUsSK2f2
- 締 切:2018年3月19日あさ9時